【FC】ファイナルファンタジーIII
少なくとも5歳の私に「挫折」を与えるには十分すぎる長さだった。
強烈に長い、長すぎるラストダンジョン。それが、「FF3」というゲームを特徴付けていると思う。私がこのゲームを始めてプレイしたのは5歳の時。「コントローラーを動かすとテレビのキャラクターが動く」だけで喜んでいたガキだった。
今にして思うと不思議である。何故5歳のガキが、こんなゲームを飽きもせずにラストダンジョンまでこぎ付けたのか。当時の私は、ゲームをほとんど全クリしたことは無かった。「ゲームをすること」自体が楽しくて、クリアなどどうでも良かったのだ。それでも私は、「FF3」という作品に惹かれた。何故だろう?それは、RPGとしての「FF3」が素晴らしかったからだと、今になって思う。RPGは、直訳すれば「役割を演じる遊び」。「FF3」にはその「演じる」楽しさが凝縮されていた。
当時としてはかなり美麗なグラフィック、斬新なシステム。当時の私はストーリーはほとんど理解できていなかった。それでも、ただ単に戦闘を繰り返すだけで楽しかった。そこに、「ジョブチェンジ」の概念が加わる。自分好みに変身して、敵を倒していくキャラクター。当時の私は、そういうキャラクターを「演じて」いたのだと思う。先に進むたびに変身できる職業も増える。私は喜んで夢中に先に進んだ。
そして、最後に行き着いたのがラストダンジョン、「クリスタルタワー」。とてつもなく長く、理不尽だった。戦闘システム上、逃げることはこの時点では「死」を意味する。襲い掛かる敵は全てなぎ倒さなくてはならない。セーブポイントや宿屋など、一つも存在しない。少なくとも5歳の私に「挫折」を与えるには十分すぎる長さだった。
それでも、当時の私はそれに挑んだ。幾度となく道に迷い、諦めかけた。それでも耐えて先に進んだ。そして、クリスタルタワー最上階まで登りつめた。このときプレイ時間、約3時間。5歳児の限界などとうに超えている。ボス戦。負けるわけにはいかなかった。「敗北」はすなわちこれまでの辛抱が無に帰す瞬間。負けられない。そして、勝利。
これで終わった……と思った。ほとんどゲームを全クリした事が無かった私にとって、初めての達成感。しかし、実は「FF3」はこれで終わりではない。この先にまだ、ダンジョンが広がっている。私はもう、目にも限界が来ていた。そして、襲い掛かる中ボスの容赦の無い一撃に、敗北した。このときプレイ時間、約4時間。それが、一瞬にして無に帰した瞬間。
……この日以来私は、このゲームをプレイすることを諦めてきた。長い間、このゲームをプレイすることを避けてきた。初めて感じた挫折だったのかもしれない。このゲームをもう一度プレイしたのは、実に11年後。心のどこかで諦めきれない気持ちが、私を突き動かした。
改めて当時を懐かしみながらプレイする。少しずつ思い出される当時の努力、初めて理解したストーリーの奥深さ。今でも遜色なく楽しめる「FF3」に感動しつつ、それでも長いラストダンジョン、理不尽に強いボスに積年の恨みをぶつけた。11年かけて、私はこのゲームに勝利したのだ。
今になって思う。私が何故こんなにもゲームというものを愛して、今もプレイし続けているのか。それは、5歳の私がこの「FF3」という作品に出会えたからであり、このゲームに当時の私が真正面からぶつかっていけたからだ、と。
[ 2006/1/29 16:37 | ゲームのおもいで | comment(0) | trackback(0) ]
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